ローンの相続について、遺産分割の対象ではない
2023/12/27
目 次 1 遺産分割の対象になる財産とは
2 相続した借金は支払わなければならないか
3 均等に借金を支払わない方法はあるか。 (1)免責的債務引受 (2)相続放棄 (3)団体信用生命保険
4 まとめ |
1 遺産分割の対象になる財産とは
財産とは、金銭や株式などのプラスとしての積極的な財産から、借金、ローンといったマイナスとしての財産も含まれます。
どちらも遺産分割の対象として、遺産分割協議書に記載をすればそのとおりに分割されることになるのでしょうか。
結論としては、遺産分割の対象は、プラスの財産、すなわち積極財産だけが対象になります。マイナスの借金やローンは、遺産分割協議書に記載をしても、債権者である銀行などにはそれだけでは法律上の効果はありません。もっとも、相続人の間では、借金の引き受け割合を均等に定めなかった場合、内部的な合意としての意味はあります。
2 相続した借金は支払わなければならないか
上記のように、マイナスの借金やローンは、相続人が2人いれば2分の1に、相続人が3人であれば3分の1に、それぞれ分割されて相続されます。そのため、債権者から自分が相続した部分だけ支払いを求められた場合は支払わなければなりません。
3 均等に借金を支払わない方法はあるか。
(1)免責的債務引受
相続人の間で、一部の人が多く借金を引きうける内容で合意した場合は、相続人間では債務引き受けとしての効果があります。しかし、これはあくまで相続人間だけの合意であり、銀行などの金融機関、債権者には主張できません。
そこで、例えば一部の相続人の借金を免責する、免責的債務引受契約をすることで、債権者にも主張できるようになります。このとき、債権者である銀行などの合意がとれることが条件です。相続人のうち、1人だけが相続する住宅に住んでいるといった場合には、現実的に住んでいる人が住宅とローンと両方を相続するのが現実的解決であるといえるでしょう。
(2)相続放棄
相続放棄は、被相続人のプラスの積極財産もマイナスの消極財産もすべて引き受けないということです。財産を相続しない代わりに、借金、ローンも一切引き受けないことができます。相続放棄をすれば、相続放棄申述受理証明書、が裁判所から発行されますのでそれを金融機関などに提出すればよいでしょう。とっても強力な手段になります。もっとも、取消しは原則的にできないため慎重に判断する必要があります。相続放棄の期間は相続があったことを知った日から3か月間と長くはないので、放棄するのであれば素早く手続きを進める必要があります。
(3)団体信用生命保険
ローンを組んでいた人が団体信用生命保険に加入していた場合には、亡くなった時点で全て返済されたことになるため、それ以降は返済義務がなくなります。
4 まとめ
被相続人が残した借金やローンは相続の対象になりますが、遺産分割の対象ではないということになります。
遺産分割できる財産とそうでない財産とを把握し、それぞれのご家庭の事情に合わせた解決策を検討する必要があります。
具体的には、各ご家庭により変わりますので疑問がでた初期の段階で弁護士に相談をすることがおすすめです。無料相談もありますのでご利用も検討事項です。
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